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インターフェロンーλ3キット「HISCL™IFN-λ3 試薬」
SARS-CoV-2陽性患者の重症化予測診断のカットオフ値:13.6pg/mL(2)
▶判定上の注意
1.
SARS-CoV-2陽性患者において、重症(呼吸不全を伴う中等症II以上)化する前に、IFN-λ3の一過性の
上昇が認められることが報告されています。(2)このため、IFN-λ3測定値がカットオフ値を超える一過性
の上昇後、カットオフ値以下まで低下した時期に採血を行った場合は、重症化を予測できない可能性が
あります。SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助には、他の関連検査及 び臨床症状等も
含めて総合的に判断してください。
2.
免疫反応においては、一般的に非特異反応により陽性または陰性の判定となる場合があることが知られて
いますので、測定結果に基づく診断は他の関連検査及び臨床症状等により総合的に判断してください。
非特異反応の原因としては、各種の自己抗体、不溶物(特にフィブリン)及び自然抗体などが考えられます。
3.
希釈測定はできません。測定結果が測定範囲上限を超えた場合は、測定上限以上として扱ってください。
4.
IFN-λ3はC型慢性肝炎患者の血清で高値を示すことが報告されています。(2)(3)そのため、測定結果に
基づく診断は他の関連検査及び臨床症状等により総合的に判断してください。
IFN-λ3はIII型インターフェロンの一つであり、抗ウイルス活性と免疫応答の調整を行っている分子です。
生体内では、IFN-λ3は受容体に結合した後、JAK活性化およびSTAT1/STAT2のチロシンリン酸化を誘導します。
リン酸化されたSTAT1およびSTAT2は、他の因子と結合して、転写因子複合体を形成し、核内へ移行することで
様々なサイトカイン類を含む免疫応答に関連する分子の発現、調整を行っていると言われています。(4)(5)
杉山ら(2)は、SARS-CoV-2に感染した患者血清中のIFN-λ3を経時的に測定し、酸素吸入・人工呼吸器の装着が
必要になる症例において、血清中のIFN-λ3の濃度が上昇する現象を見出し、本分子の測定がSARS-CoV-2陽性
患者の重症化予測に寄与する可能性を報告しています。
酸素吸入・人工呼吸器の装着が必要となった重症例12例、軽症例16例の治療経過中のIFN-λ3の最大値との関
係を検討し、ROC解析によるIFN-λ3のカットオフ値は13.6pg/mLでした。