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生殖細胞系列遺伝子変異解析セット(疾患原因遺伝子検査用) PrismGuide™ IRDパネル システム

臨床研究成績

「遺伝子パネル検査による遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子診断」100症例の解析結果

本システムによる原因遺伝子同定、及び臨床所見に基づき診断された遺伝性網膜ジストロフィ患者由来の100例を対象に、本システムを用いて生殖細胞系列バリアントの検出及び病的バリアント情報を取得後、医療機関でのエキスパートパネルによる原因遺伝子同定率(主要評価項目)を確認しました。この臨床研究試験は先進医療B(遺伝子パネル検査による遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子診断)として神戸市立神戸アイセンター病院で実施されたものです。
※1 先行研究(エキスパートパネルを経た原因遺伝子同定率:約30%~50%)と同程度でした。 Maeda A, et al. Development of a molecular diagnostic test for Retinitis Pigmentosa in the Japanese population. Jpn. J. Ophthalmol. 62, 451–457 (2018).
※2 シークエンシングレポート(全ての遺伝子変異の検出結果が記載)に、臨床的意義不明のバリアント(Variant of uncertain significance: VUS)として報告されていました。
※3 遺伝カウンセリングを受けて解析に進まないという決断をされた方1名を含みます。
原因遺伝子が同定された41例中、38例(92.7%)は、本システムが判定した病的バリアント(Pathogenic,又はLikelypathogenic)を有する遺伝子でした。一方、3例(7.3%)は、本システムによりVUS(Variant of uncertain significance)として判定されたバリアントを有する遺伝子であり、医療機関が保有する臨床情報や家系情報に基づくエキスパートパネルでの総合判定の結果、原因遺伝子として同定されました。
本結果より、本システムから得られた情報が、遺伝性網膜ジストロフィの原因遺伝子同定の補助として寄与すること、ならびに医療機関のエキスパートパネルにおいて、本システムからの結果に加え、臨床情報や家系情報に基づき病原性有無に係る総合判定を行う運用が妥当であることが示されました。
なお、原因遺伝子が同定できた41名全員が、正確な遺伝形式に基づく遺伝カウンセリングの実施ができました。